【試験概要】
日本薬科大学の教授によりJBA取扱い商品・ピーチローズ(リボーテ01)の皮膚炎症の抑制効果について解析し、美肌効果について実験をしました。
【目的】
抗糖化作用によるAGEの生成抑制により、炎症が抑制され皮膚障害は緩和されると考えられる。
この効果は、加齢によるシワ、たるみ、シミなどの発生予防、またニキビ瘢痕の形成予防効果が期待される。
1)AGE(終末糖化産物)の生成抑制試験 グルコース/グリシン系
【測定原理】
糖とタンパク質(アミノ酸)を加熱処理することにより糖化反応(メイラード反応)によりAGEが形成される。
AGEは炎症細胞を活性化し、炎症因子の産生が促されることにより皮膚は傷害される。
さらに細胞外基質であるコラーゲンの網目構造を架橋することにより、コラーゲン構造が崩れ、皮膚のたるみ、シワが形成される。
メイラード反応によるAGEの形成は、茶褐色を呈することより、視覚的に判断できる。また、生成過程において蛍光性が変化することから、AGEの生成は蛍光強度を測定することによっても定量化できる。
【試験方法】
メイラード反応による結果を見るため、10%グルコース、10%グリシン、100mMリン酸緩衝液と被験物質(ピーチローズ)を各段階に希釈したものを混ぜ、60℃/72Hr放置した。その後吸光光度計で測定をする。
【結果】
図1より、対照の吸光度1.0Absに対し、被験物質(ピーチローズ)を添加したものは希釈倍率を下げるに従い、顕著な減少が見て取れ、50倍希釈で0.8Absの値を示した。
また、図2.AGE生成抑制は被験物質(ピーチローズ)を添加し各希釈倍率で計測。希釈倍率800倍から著しい変化が現れ、4%の抑制率を示し、希釈倍率を下げることにより50倍希釈で14%のAGE生成抑制作用があることが分かった。
【考察】
今回の結果から、メイラード反応による被験物質(ピーチローズ)のAGE生成に与える作用を確認することができた。AGE(終末糖化産物)は色素沈着によるシミ・くすみの生成に関与しており、これが生活習慣や加齢などで増加することにより、シミ・くすみが目立ってくる。被験物質(ピーチローズ)はそのAGE(終末糖化産物)の生成を抑え、シミ・くすみの発生を抑えることができると推測される。
2)AGE(終末糖化産物)の生成抑制試験 グルコース/BSA系
【試験方法】
BSA 22.2mg/mlを450μl、D-glucose 222mg/mlを450μl、50mMリン酸緩衝液と被験物質(ピーチローズ)を各段階に希釈したものを混ぜ、60℃/48Hr放置した。その後蛍光強度を測定(励起波長:360nm、測定波長:465nm)をする。
【結果】
図3.より蛍光強度は対照が40000arb. Unitsを超えているのに対して、被験物質(ピーチローズ)を添加後には400倍希釈で35000arb. Unitsまで下がり、顕著な差が見られた。200倍、100倍希釈と徐々に減少し、50倍希釈で34000arb. Unitsとなった。
また、図4.よりAGEの生成抑制率を見てみると、800倍希釈で20%の生成抑制作用を示し、50倍希釈で30%のAGE生成抑制作用が示唆された。
【考察】
今回のBSAを用いた試験結果からも被験物質(ピーチローズ)にAGE生成抑制作用を確認することができた。上記のメイラード反応による実験と合わせ、同様の抑制作用のグラフになったことから、被験物質(ピーチローズ)にはAGE(終末糖化産物)を抑制できることがさらに顕著に示されたことになる。
AGE(終末糖化産物)はシミ・くすみの原因となるだけでなく、皮膚の弾力を失わせ、ハリの低下に繋がる。被験物質(ピーチローズ)はシミ・くすみだけでなく、皮膚のハリの改善にも影響を与えることが推測される。